フットサルのルール早わかり
フットサルはサッカーに似たスポーツですが、「4秒ルール」「キックイン」「ゴールクリアランス(ゴールキーパースロー)」など、サッカーとは違った独特のルールがあります。
又、サッカーには「オフサイド」がありますが、フットサルには「オフサイド」がありません。
サッカー経験者の方はフットサルとサッカーの違いを理解する事で、フットサルを始めたばかりの人はルールを覚える事で、プレーする際の戸惑いが無くなり、ゲームの進行がスムーズになります。
ルールをよく理解して、フェアでスムーズなゲーム進行をし、安全且つ楽しくプレーしましょう。
【4秒ルール】
フットサルには、ゲームをスピーディーに進行する為に、4秒ルールという特殊なルールがあります。
キックイン、コーナーキック、フリーキック、ゴールクリアランス(ゴールキーパースロー)などの試合を再開するプレーを、プレーする準備が出来てから4秒以内にプレーしないと、相手ボールになってしまいます。
但し、4秒ルールは、ペナルティキック、キックオフには適用されません。
【キックイン】
ボールが、ピッチの両側に描かれたタッチラインを越えて外へ出た場合、サッカーではスローイン(ボールを投げる)でプレーを再開しますが、フットサルではキックイン(ボールを蹴る)でプレーを再開します。
※ キックインの注意事項 ※
- 1.ボールがタッチラインを超えた地点、又はピッチ外で、その地点から25cm以内の場所から蹴る。
- 2.ボールを静止させてから蹴る。
- 3.ボールを蹴る準備ができてから4秒以内に蹴る。
- 4.ボールを蹴る時の軸足(蹴る足と違う足)は、タッチラインを越えてピッチの内側に入ってはならない(軸足がタッチラインの外側にある場合、又は軸足の一部がタッチラインを踏んでいる場合はOK)。
- 5.キックインから直接ゴールする事は出来ない(他のプレーヤーに当たった場合はOK)。
- 6.守備をするチームの人は、キックインをする場所から5m以上離れなければならない。
- 7.キックインする人と同じチームの人は5m以内にいてもOK。
- 8.キックインした人は、誰か他の人がボールに触るまで、ボールに触れる事は出来ない。
【ゴールクリアランス(ゴールキーパースロー)】
ボールが、ピッチの両端に描かれたゴールラインを越えて外へ出た時、ゴールを攻めていたチームの人が最後にボールに触った場合、守っていたチームのゴールクリアランス(ゴールキーパースロー)でプレーを再開します。
サッカーではゴールキック(ボールを蹴る)でプレーを再開しますが、フットサルではゴールクリアランス(ボールを投げる)でプレーを再開します。
※ ゴールクリアランスの注意事項 ※
- 1.ゴールクリアランスを行う準備ができてから4秒以内に行う。
- 2.ゴールクリアランスから直接ゴールする事は出来ない。
- 3.ゴールクリアランスしたゴールキーパーは、誰か他の人がボールに触るまで、ボールに触れる事は出来ない。
- 4.ボールは、守備側チームのゴールキーパーによってペナルティーエリア外に直接投げ出された時、インプレーとなる。
- 5.ゴールクリアランスをするゴールキーパーと同じチームの人は、ペナルティーエリア内でゴールクリアランスされたボールを受ける事は出来ない。
- 6.ゴールクリアランスをするゴールキーパーの相手チームの人は、ペナルティーエリア内でゴールクリアランスされたボールに触ったり、妨害するなど、ゴールクリアランスに干渉する行為をしてはならない。
【GKへのバックパス(リターンパス)】
ゴールキーパーがプレーしたボールは、相手プレーヤーが触れなければ、ピッチの自分自身のハーフ内で、キックやヘディングだけでなく、胸や肩などあらゆる部位によるパスでも、意図的に戻す事(バックパス)は出来ません。
<< ちょっと一言 >>
ゴールキーパーがボールを一旦リリースした後に再び触れる場合について、2010年フットサル競技規則の改正で“ボールがハーフウェーラインを越える”という条件が無くなり、ボールが相手プレーヤーに触れない限り、ゴールキーパーが自分自身のハーフ内で再びボールに触れることが出来なくなりました。
この改正により、パワープレーでも、ゴールキーパーは相手ハーフにいない限りパス交換ができなくなり、時間稼ぎや無駄なパス回しが排除され、よりスピーディーなゲームの進行が可能になりました。
【選手交代】
フットサルでは、選手の交代は何時でも自由にする事が出来ます。キックインやゴールクリアランスなどでプレーが中断されるのを待つ必要もありませんし、審判の許可も必要ありません。
交代は最大10人まで許されており、一度ベンチに下がった選手も再び出場する事が出来ます。
交代は自陣の交代ゾーンで行います。但し、ピッチを出るプレーヤーが完全にタッチラインを越えて外に出るまで、ピッチに入るプレーヤーはタッチラインより内側に入る事は許されません。
<< ちょっと一言 >>
交代したのではなく、負傷の治療や用具の交換の為にピッチから離れたプレーヤーの競技への復帰方法は、ボールがピッチの外に出ているアウトオブプレー中か、ピッチの外に出ていないインプレー中かで異なります。
アウトオブプレー中なら自由にピッチに戻ることが出来ますが、インプレー中は審判の管理の下においてのみ、ピッチに戻ることが出来ます。
【反則】
反則内容と反則を犯した場所によって、直接フリーキック、間接フリーキック又はペナルティーキックが相手チームに与えられます。
【直接フリーキック】
直接フリーキックは反則行為が行われた場所から行います。
直接フリーキックが直接ゴールに入った場合は、得点として認められます。
「プレーヤー」が以下の様な反則を不用意に、無謀に、又は過剰な力で犯したと審判が判断した場合、直接フリーキックが相手チームに与えられます。
- 1.相手を蹴る行為(キッキング)
- 2.相手をつまずかせる行為(トリッピング)
- 3.相手に飛びかかる行為(ジャンピングアット)
- 4.相手をチャージする行為(チャージング)
- 5.相手を打つ、叩く行為(ヒッティング)
- 6.相手を手や腰で押す行為(プッシング)
- 7.相手にタックルする行為(タックル)
- 8.相手を手や体で抑える行為(ホールディング)
- 9.ボールを手や腕で意図的に扱う行為(ハンド)
<< ちょっと一言 >>
2010年フットサル競技規則の改正で、直接フリーキックに値する反則については、サッカーと全く同じになり、スライディングタックルも“不用意に、無謀に、又は過剰な力で”行わない限り、認められる様になりました。
しかし、全国各地のフットサルコート主催の大会でも「安全の為、スライディングタックルは今まで通り禁止とする」等、競技規則とは違った独自のルールを適用している大会もあります。
仲間内でプレーする際、個サルに参加する際など、怪我をしない様に事前にルールを決め、安全に楽しくプレーしましょう。
【間接フリーキック】
間接フリーキックは反則行為が行われた場所から行います。
間接フリーキックが直接ゴールに入った場合は、得点として認められません。
「ゴールキーパー」が次の4項目の反則を犯した場合、間接フリーキックが相手チームに与えられます。
- 1.ピッチの自分自身のハーフ内で、4秒を超えてボールを手や腕、又は足でコントロールする
- 2.ボールをプレーした後、相手プレーヤーがプレー、又は触れていないにも関わらず、ピッチの自分自身のハーフ内で、味方プレーヤーによって意図的にキックやヘディング等されたボールに再び触れる
- 3.自分自身のペナルティーエリア内で、味方プレーヤーによって意図的にキックやヘディング等されたボールを直接手、又は腕で受ける
- 4.自分自身のペナルティーエリア内で、味方プレーヤーがキックインしたボールを直接手、又は腕で受ける
「プレーヤー」が次の項目の違反を犯したと審判が判断した場合、間接フリーキックが相手チームに与えられます。
- 1.相手が近くにいる時に、足を高くあげる(ハイキック)など、相手プレーヤーの前で、危険な方法でプレーする
- 2.相手競技者の進行を妨げる(オブストラクション)
- 3.ゴールキーパーがボールを手、又は腕から放すのを妨げる
- 4.相手プレーヤーに対して犯した場合直接フリーキックで罰せられることになる反則を、味方プレーヤーに対して犯す
- 5.その他、審判が警告する、又は退場させる為にプレーを停止することになる違反を犯す行為
【ペナルティーキック】
守備をするプレーヤーが、自分のペナルティーエリア内で直接フリーキックとなる反則をした場合、ペナルティーキックが相手チームに与えられます。
ペナルティーキックは、ペナルティーマークから行います。
※ ペナルティーキックの注意事項 ※
- 1.ボールは、ペナルティーマークの上に置く。
- 2.守備側のゴールキーパーは、ボールが蹴られるまでゴールライン上に留まる。
- 3.キッカー以外のプレーヤーは、ボールから5m離れる。
- 4.ペナルティーキックをした人は、誰か他の人がボールに触るまで、ボールに触れる事は出来ない。
【参考文献】
日本サッカー協会. "フットサル競技規則." 日本サッカー協会.
http://www.jfa.or.jp/